PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS_手の大きさに関する調査

この記事の元記事: https://paskpiano.org/pianists-hand-spans-australian-study/



PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS


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細幅鍵盤が必要な理由:その根拠


Pianists' hand spans vary greatly!
ピアニストの手の大きさは千差万別!

Pianists’ hand spans – Australian study
ピアニストの手のスパン - オーストラリアの研究


Australian survey of pianists' hand spans
オーストラリアにおけるピアニストの手の大きさに関する調査


オーストラリアのピアニストを中心とした近年の研究で、手のスパンやその他のデータが収集されました。オーストラリア・ピアノ教育学会議で2015年12月に発表されたボイル、ボイル & ブッカー(Boyle, Boyle & Booker)による論文に、その結果が記載されています。
http://www.appca.com.au/proceedings/

いくつかの重要な結果が以下に示されています。概要資料をダウンロードすることもできます。
https://paskpiano.org/wp-content/uploads/2021/09/NCKP-Hand-span-data-Statistics-Summary-2015.pdf
473人の成人のピアニストの手のスパンのデータの分析には、性別および人種の違い、手のスパンとピアニストの『名声のレベル』との比較、およびビジネスコースを受講している大学生(即ち、大部分がピアノを弾かない人たち)の独立した研究との比較の推定値が含まれています。
結果は、ピアニストとピアニスト以外の人たちを対象とした先行研究とも比較されました。
参照: Earlier hand span studies/手のスパンのこれまでの研究

2つの手のスパン測定値、すなわち両手の親指から小指(1-5)および人差し指から小指(2-5)の有効なスパン(平らに手を広げた最大値)が集められました。
手のスパンに関する詳細は、Measuring hand spans/手のスパンの測定をご参照下さい。


Gender differences - 男女差

ここに示されているオーストラリアの研究からのデータはこれまでの研究を裏付けており、成人男性の手のスパン(親指から小指)は、平均して成人女性のそれよりも約1インチ(または2.5 cm)大きいというものです。つまり現在の鍵盤では、男性は平均して1つ以上の余分な白鍵に手が届くということです。

下の図は、親指から小指のスパンにおける顕著な男女差を示しています。
この研究によると、男性の平均の親指から小指のスパンは8.9インチ(22.6 cm)、女性は7.9インチ(20.1 cm)で、5%レベルで統計的に有意な差があります。左側の頂点が高いのは、サンプル中の女性ピアニストの割合が高いことを示しており、男女比は約2:1です。

また、女性の平均に満たないスパンを持つ男性はごくわずかな割合(この研究では2%)しかおらず、男性の平均より大きいスパンを持つ女性もごくわずかな割合(2.9%)しかいないこともわかります。
下の表は、親指から小指(1-5)のスパンと人差し指から小指(2-5)のスパンの両方の基本的な集約尺度を示しています。人差し指から小指(2-5)のスパンのおおよそ0.5インチ(1.27 cm)の男女差も統計的に有意です。






Ethnic differences - 人種差

これは、知られている限りの最初のピアニストの手のスパンの人種差を分析する研究です。
オーストラリアの研究に参加した473人のピアニストのうち、456人はアジア系か、あるいは白色人種の血統として分類され、残りの17人の混合または他の系統はこの分析から除外されました。
下の表は、親指から小指(1-5)のスパンの結果をまとめたものです。
この調査に基づくと、白人男性のスパンはアジア人男性のものより0.3インチ(約8 mm)大きく、そして白人女性のスパンはアジア人女性のものより0.2インチ(約5 mm)大きいということです。人差し指から小指(2-5)のスパンの分析では、男性にも女性にも統計的に有意な人種差は見られません。

注目すべき点は、この研究に基づくと、親指から小指(1-5)のスパンの人種差(約4分の1インチ(0.6 cm))が、全体の男女差の1インチ(2.54 cm)よりはるかに小さいということです。白色人種とアジア人が別々に分析された場合、同様の男女差は一目瞭然です。
親指から小指(1-5)のスパンの人種差はすべて統計的に有意です。



Hand span versus 'Level of acclaim' - 手のスパンと『名声のレベル』との比較

オーストラリアの調査対象のピアニストが、演奏家としての成功に基づく『名声のレベル』によって分類されました。
広範な曲目にわたる成功を収めた長期のソロ演奏の経歴、および主要な国際コンクールでの成功の、両方またはいずれか一方に基づく『国際的な』知名度を持つ12人のピアニストがいます(一部、他国から訪問した演奏家を含む)。
さらに『国内で』有名な51人が、主に本国での(必ずしもそのような広範囲な曲目にわたるわけではない)ソリスト、室内演奏者、または伴奏者としての長期公演の経歴や、または主要な国内コンクールのどちらか一方での成功に基づいて識別されました。残りすべてのピアニストは『地域限定/アマチュア』として分類されました。

下は、2004年にディビッド・シュタインビューラー(David Steinbuhler)氏によって作成されたものと同様に、オーストラリアの調査におけるすべての成人ピアニストの有効な親指から小指(1-5)の右手のスパンの寸法の図表です。
(参照: Earlier Hand Span Studies/手のスパンのこれまでの研究)
男女差を浮き彫りにしているだけでなく、それら『国際的に』および『国内で』高い評価を受けるピアニストを示しています。これは、『国際的な知名度を持つピアニスト』すべてのスパンが8.8インチ(約22.4 cm)かそれ以上であること、そして、女性の平均である7.9インチ(約20 cm)を下回るスパンの『国内で有名なピアニスト』もほとんどいないことを示しています。
男女数の均等に照らして、国際ピアノコンクールの入賞者における手のスパンの影響をご理解いただくには、Gender differences in major competitions and performing careers/主要なコンクールや演奏キャリアにおける男女差をご参照ください。


この表は、これら3つの『名声のレベル』のグループの手のスパンをまとめたものです。
その差は5%レベルで統計的に有意です。
また、人差し指から小指(2-5)のスパンを見た場合にも顕著な差が明らかとなっています。


男女差で見ると、下のグラフは3つの『名声のレベル』のグループのそれぞれにおける男性と女性の相対的な比率を比較しています。
ここで留意すべきは、国際的な女性ピアニストを例にとると、この比較が次のように計算されることです。
IF=国際的な女性ピアニスト、TF=全女性ピアニスト、IM=国際的な男性ピアニスト、TM=全男性ピアニストということで、(IF/TF) / (IF/TF + IM/TM) = 9.2 %です。


男女別にこの『名声のレベル』のデータを確認する簡単な方法は、各『名声のレベル』グループ内の男性と女性の比率を示すことです。したがって、上記と同じ例である国際的な女性ピアニストを使用すると、下のグラフはIF / (IF + IM) = 16.7 %となります。最初のグラフとは異なり、この研究では男女のピアニストの総数は考慮されていません。



Children's hand spans - 子供の手のスパン

これと同じオーストラリアの研究では、6歳から17歳までの49人の子供や10代の若者からも手のスパンのデータが集められました。
グラフからわかるように、彼らの親指から小指(1-5)の手のスパンは、5.8インチ(14.7 cm)から9.2インチ(23.4 cm)までの広い範囲に及んでいました。予想通り、年長の子供たちがより大きなスパンを持つ傾向がありました。
この小さな標本は予想される別のパターンも示しており、つまり、年齢段階が上がるにつれて、手のスパンのばらつきが広がっています。各年齢群の手のスパンは、女児と男児に分けられた場合、ほぼ正規分布になると考えられます。

この研究は、成人女性のスパンと幼い子供(12歳未満)のスパンの間にかなりの重複部分があることを示しています。つまり、かなりの割合の女性(ほぼ3分の1)が『子供サイズ』の手を持っているのです。



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