ALTERNATIVELY SIZED PIANO KEYBOARDS _ピアノを弾く人たちと弾かない人たちの手の大きさの比較

この記事の元記事: http://smallpianokeyboards.org/pianists-versus-non-pianists/



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Pianists versus non-pianists

- ピアニストとピアニスト以外の人たちの比較

ピアニストとピアニスト以外の人たちの手の幅(スパン)を比較するのは興味深いことです。
つまりは、ピアニストの手は全人口を反映しているのでしょうか。

公表されている詳細な人体測定データの多くは成人集団の無作為標本ではなく、例えば、ギャレット(Garrett)(1971年)、グライナー(Greiner)(1991年)、ドネルソン&ゴードン(Donelson & Gordon)(1996年)といったアメリカの軍隊要員からの測定値に基づいています。その他のデータは、例えば、ナッグ、ナッグ&デサイ(Nag, Nag & Desai)(2001年)や、セーンチャイヤ&バンテルンチット(Saengchaiya & Bunterngchit)(2004年)といった工業労働者に由来しています。ほとんどの場合、手のスパンは測定されていません。
アメリカにおける人間の手の多種多様な特徴の測定結果(ギャレット(Garrett)1971年)によると、測定された特性によっては、男女間の差は通常10%と20%の間に及びます。
例を挙げると、セーンチャイヤ&バンテルンチット(Saengchaiya & Bunterngchit)(2004年)や、ナッグ、ナッグ&デサイ(Nag, Nag & Desai)(2001年)や、マンダハウィ他(Mandahawi et al)(2008年)といったいくつかの比較用の手の人体計測データは、アジア系の人たちが一般に白人よりも手が小さいことを浮き彫りにしています。

ワグナー(1988年、p.117)は、その前の研究の、特にマッツドルフ(Matzdorff)(1968年)による研究に基づくと、音楽家は音楽家以外の人たちよりも手と指のスパンが長い傾向があると述べています。
手の長さと幅に関する様々な最近のデータから判断すると、ピアニストと一般の成人集団との間には、ピアニストの手のほうが幅が狭い傾向があるものの、手の長さに関しては目立った差はありません。
(詳細な統計分析は行われていません。)

オーストラリアのプロのオーケストラ・ミュージシャンを対象にした近年の研究(ドリスコル&アッカーマン(Driscoll & Ackermann)2012年)では、ここ、Hand span data - recent Australian study手のスパンのデータ - 近年のオーストラリアの研究)で述べられている、ピアニストを対象にしたオーストラリアの研究で見られたものと類似した平均的な親指から小指まで(1-5)のスパンが見つかりました。
ボイル、ボイル&ブッカー(Boyle, Boyle & Booker)(2015年)による論文に、ビジネスを専攻している大学生の手のスパンを対象に行われた個別の調査が記載されています。彼らの手のスパン(特に1-5(親指から小指)の幅)は、成人のピアニストのものよりも著しく小さいことが分かっています。この場合も先と同様に男女差や人種差が明白ですが、アジア人男性の平均のスパンはピアニストの調査における同じグループのそれよりも際立って小さいです。この学生の調査では身長も記録されており、 データの分析は、身長が手のスパンの予測因子として比較的弱いことを示しています。
参照: Hand span versus height手幅と身長との比較

ボイル、ボイル&ブッカー(Boyle、Boyle&Booker)(2015年)の論文で、ピアニストが人口全般よりも大きな手のスパンを持つ理由が論じられています。
楽器を長期にわたって演奏したことによる影響が要因になる可能性があると結論付けられていますが、その影響は、大きさの点では重要ではなさそうです(1-5のスパンで多くても0.2インチ(5 mm))。
自分の意志で選択している影響が最も関連している可能性があり、即ち、スパンの大きいピアニストは成功を収めてピアノの演奏が楽しいものだと気付きやすく、故に、大人になっても演奏を続ける傾向が強くなります。

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